自己破産

■概要
破産とは、多額の借金を抱えてしまい今後返済できない場合において、全ての債権者に公平な支払いをすることを目的として債務者の現在の総財産を清算する手続です。
その後、残った全ての借金を帳消しにするために、免責の申立てを行います。破産と免責は別の手続ですが、通常、合わせて行います。

破産 → 破産宣告をし、債務者の現在の総財産を清算する手続。借金は残ります。
免責 → 残った借金を帳消しにする手続。


破産と免責を合わせて行うことにより、借金を帳消しにして、債務者の経済的再起が図れます。債務整理の中でも、借金で苦しむ人の為に用意された最も強力な救済手続です。

尚、破産について特にマイナスのイメージを持つことは不用です。戸籍に記載されることもなく、それによって職場を解雇されることも法律上はありません。家族の学業、就職にもほとんど影響はありません。
破産と免責によって借金を無くし、経済的再起を図ることのメリットは大きいと言えます。

■手続
債務者から受託をした司法書士は、まず債権者に対して受任通知を発送します(民事再生、任意整理、特定調停の場合も同じです。)。これによって、債権者からの取立て行為は無くなります。それとともに、債権者と債務者との取引履歴を請求します。
債権者から送られてきた取引履歴によって、利息の再計算等を行い、残債務額を把握します。
債務者の意向と現状を踏まえて、破産の手続を選択します。

破産は債務者の住所地の地方裁判所(債務者が営業者の場合は、主たる営業所の地方裁判所)への申立てによって開始されます。
その後、裁判所での審尋を経て、破産宣告がなされます。

債務者が、ある程度の財産を有していない場合は、原則、同時廃止事件となります
同時廃止事件とは、債務者に財産が無い為、債権者に分配(支払)する必要が無い手続です。破産宣告と同時に債権者への支払手続(これを破産手続と呼びます)を廃止する手続です。
そして、同時廃止決定後1ヶ月以内に、免責の申立てを行います。
尚、所有不動産があっても、住宅ローンの残額が不動産の時価の1.5倍位ある場合(これを、オーバーローンと言います。裁判所によって、認定の程度は異なります。)は、財産を有していない場合に該当します。

債務者が、ある程度の財産を有している場合は、原則、管財事件とります。
管財事件とは、家庭裁判所が選任する破産管財人によって、債務者の財産を整理、換価し、現在ある債務者の財産だけで債権者に公平に分配(支払)する手続です。
そして、破産手続が終結するまでに、免責の申立を行います。


その後、裁判所での審尋を経て、免責の決定が確定します。
これによって、全ての借金から開放されます。

■手続終了までの期間
同時廃止事件の場合、
破産申立てから破産宣告まで、概ね1~2ヶ月、
破産宣告から免責審尋までが、2~4ヶ月、
免責審尋後の異議申し立て期間が、約1ヶ月、
免責異議期間経過後の免責決定までは、数日、
免責決定から公告までの間が、約2ヶ月
公告から免責確定までが、2週間。

管財事件の場合は、これに破産手続(債権者への支払)の期間が加わります。

■破産をすることによるメリット。

  1.   破産だけでなく免責を合わせて申立てることによって、以後の借金は帳消しになります。
  2. 債務整理手続の中で、全ての借金を帳消しにできる手続は、破産・免責だけです。たとえ、免責の決定が得られなくても、破産宣告によって、多くの債権者の請求が止む可能性があります。
  3. 破産によっても、現在および、今後生活の為の一定の財産は残すことが出来ます。全ての財産が没収されることはありません。
  4. 手続中に債権者からの差押えは、ありません。

 

■破産をすることによるデメリット。

 

  1.  金融機関からの融資を相当期間受けられなくなります。
    ※信用状態が回復すれば、融資を受けることも可能です。また不動産を購入することも可能です。
  2. 一定の資格が必要な業務をすることが出来ません。例えば、会社の取締役、警備員、司法書士、弁護士等。
    ※免責が確定すれば、それぞれの業務の法律にしたがって、業務をすることが可能です。
  3. 一定の資産は売却等の必要があります。※その代わり、借金は帳消しとなります。
  4. 保証人に借金の請求が行きます。
    ※保証人にも、破産等の債務整理手続をすることもできます。